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ゲート制御付きトライアック・万能調光器を作る

機械加工

自作CNCフライスの全過程はこちらから

高精度CNC用の集塵機制御ユニットを作ります。
数年前に作った記事
で、「トライアックのゲート電流を制御すればON・OFF制御出来るじゃん」と言ったきり実は手を付けていませんでした。

が、

いよいよNCフライスのスピンドルと連動した集塵機を製作する必要性が出てきましたので数年前の伏線を回収することになりました。

必要な材料

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トライアックのゲートをリレーにより制御

トライアックキットのデータシートによると、向かって一番右側の端子がゲートになっています。
左のA1、A2端子はAC100Vが通電する端子。
調光キットの原理は、G(ゲート)へ任意の長さのパルス信号を入力することによって、パルスの長さに応じた出力を0~100%と調整しています。
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当然G(ゲート)へパルス信号が送られなければA1、A2間に電流は流れませんから、スピンドルモーターのON・OFF信号をリレーで検出してトライアックのG(ゲート)パルスをON・OFFして制御することにしました。

↓簡略化した回路図です。
調光キットで生成したパルス信号を3点トグルスイッチにより、ONとOFF、そしてスピンドルと連動するリレースイッチの3種類の制御ができるようになります。
(調光キットで生成されるパルス信号は数十mA程度ですのでスイッチ自体は電子工作のもので問題ありません。)
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トライアックの製作とボックス製作

ひとまず、秋月電子から前回同様の調光器を購入し、トライアックのゲート電流をスピンドルと連動してON・OFFする機構を追加することにします。

キットとリレーは秋月電子で購入。
3点トグルスイッチはアマゾンで調達しました。
ELPA ON-OFF-ON トグルスイッチ HK-TGS02H

上記の簡略化した配線図のとおり、トライアックのゲートを制御できるように配線して組立てます。
トライアックの組立て自体ははマニュアル通り行えばよいので簡単です。

ケースですが、排熱を考慮して今回もアルミを使う事にします。
前回はアルミ板から自作しましたが安価で高品質なアルミケースが売られていたので思わず購入してしまいました。
サイズも色々あり、汎用性の高いケースです。
HEN型放熱ケースblank

↓今回購入したのは111.2×120×54.7のサイズ
DSC_2909

 

組立てた調光器とアルミケース
角コネクターやスイッチ類の取付穴を現物合わせで組立てていきます。
DSC_2912

 

フロントパネルに調光用の可変抵抗とトグルスイッチを取り付けるための穴を開けます。
青ニス※を塗りケガキ→ポンチ→ドリル切削という順番で加工していきます。
DSC_2913
※青ニスとはケガキ線を見えやすくするための専用塗料です。
速乾性が高く、皮膜が薄いことが特徴で、パーツクリーナーやアルコールなどで簡単に落とすことができます。
タイホーコーザイ 青ニススプレー NO.101

配線するとこのようになります。
DSC_2916

集塵機は最大12A程になるのでトライアックの発熱もそれなりです。
今回はアルミケースに直接トライアックを取り付け排熱することにします。
パソコンのCPU用の熱伝導グリスを使って熱伝導の効率を上げてみました。
DSC_2927

ケース上部にトライアックを取り付けます。
DSC_2930

というわけで調光器が完成しました
オーディオのアンプのようです。
DSC_2937

正面
中央部のつまみで出力調整します。
左側のトグルスイッチは中央がOFF、上にあげるとスピンドルモーター連動、下げるとONになります。
DSC_2932

背面
右側の白いコードがAC100V入力
左下の黒いコンセントは出力(集塵機側)のAC100V
上のDCジャックはリレーに接続するコネクタです。
DCジャックをショート(短絡)させるとトライアックがONになります。
(ワケあって調光器にはリレーを内蔵していません)
DSC_2933

というわけで、約2年越しのスピンドル連動型調光器ユニットが完成しました。
コメントでも色々反響がありましたが、集塵機の制御などの参考になればと思います。

ステッピングモーターのドライブIC冷却装置を自作するへ続く・・・

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