スポンサーリンク

フライス X,Yステージのオーバーホール

フライス

手動式のフライスがあるのですが、購入から5年近く経っていることもあり、ステージのがたつきが大きくなってきました。

当時自分で購入したものではないので、錆止め皮膜もそのままという有様。
購入してから全くメンテナンスらしいメンテナンスもされていなかったはずです。

最近は私が使う頻度も多くなってきましたのでステージのメンテナンスを行う事にしました。

DSC_2983

 

スポンサーリンク

ステージの分解

まずはX,Yステージをばらします。
分解方法はフライスによって若干異なりますが、基本は同じです。

X軸、Y軸のジブ調整ネジを緩めます。
ナットで緩み止めされているので、ナットを緩めてからイモネジを緩めましょう。
DSC_2995

X軸ワークステージの抑えを取ります
写真の赤矢印部分。ステージのボルトを2か所外します。
ボルトを外しただけでは位置決めぴんが圧入されているので外せません。
image2993

そこで、緑矢印に外したボルトを回しこむことでスマートに外すことができます。
DSC_2989

DSC_2992

 

ステージの抑えを外したら、ステージをハンドルが空回りするまで右側に送って行きます。
ハンドルが空回りするという事は、送りネジが外れたということです。
さらに右側にスライドさせるとステージが外れます。(ステージは鋼鉄製なので相当重たいです。)
path3069

ワークステージを取り外すとこの様になります。
DSC_2996

 

取り外したワークステージ
防錆グリスと劣化グリスでべっとりです。
この様な古いグリスを落とすには灯油がお勧めです。
DSC_3003

灯油を染み込ませたウエスで丁寧にグリスを落とし、最後にパーツクリーナーを使います。
ウエスとは、機械部品などの汚れをふき取るときに使う布切れのこと。
古着などがウエスになります。
ほぼグリスが落ちました。
DSC_3004

Y軸も同様に取り外します
このフライスのY軸はCリングで抜け止めされていいます。
Cリング用のプライヤーを使って取り外します。
スナップリングプライヤー 穴・軸兼用

Xステージを取り外した時と同じようにYハンドルを空回りするまで送り、引き抜きます。
ここまで分解したら、劣化したグリスをふき取り、新しいグリスを塗っていきます。
DSC_2999

フライスのアリ溝に塗布するグリスは粘性のあるリチウムグリースを使います。
リチウムグリスとはこの様なパッケージでホームセンターなどに売られています。
AZ(エーゼット) リチウムグリース 400g (リチュームグリス・リチュームグリース・カートリッジグリス) DS760

写真では分かり難いかもしれませんが、新しいグリスを塗布しました。
DSC_3002

 

元通りステージを組み、ジブ(カミソリ)の調整を行います。
ジブの役割は下の略図のとおり、アリ溝の遊びを無くすことが目的です。
pp

 

ステージを端から端まで送りながらジブ調整ネジを”均等に”締めていきます。
ネジを締めることでステージの遊びをなくすことができますが、締めすぎるとステージの送りが重くなってしまいます。
スムーズに動かせるギリギリまで締めることが肝要です。
途中から送りハンドルが極端に重くなる場合、調整ネジが均等に締められていないことや、ジブの隙間にゴミなどが挟まっていることが原因です。
dfs

調整はX軸、Y軸ともに行います。
調整が済んだら、緩み止めのナットを締めてください。
緩み止めナットを締める際、調整ネジが動いてしまわないよう六角棒スパナで抑えておきます。

最後に、平面が出ているオイルストーンでステージ表面を軽く撫で、打痕の凹凸を整えます。
DSC_3014
フライス盤のステージは焼きが入っていませんので、丁寧に扱っていても打痕ができてしまいます
打痕の周りはクレーターのように盛り上がるので、ワークを固定する際に平面がでなくなってしまうのです。
また、ステージに張り付いた切りくずの除去にも役立ちますので、オーバーホールの時だけでなくフライスを使う前にテーブルをチェックし、凹凸がある場合は必ず行います。
最後は手で触り、凹凸が取れたか確認してください

ただし、力を入れて擦ると当然、面精度がくるってしまいますから注意が必要です。
また、オイルストーン自体も平面が出ている必要があります。
定期的にダイヤモンド砥石で平面を整えましょう。
DSC_3019

 

オーバーホールを終え、埃がかぶらないように取りえずシートをかぶせておきました。
応急処置なのでこれからどうしようか考え中。
DSC_3007

 

コメント