AMDの新型CPU「RYZEN」。
噂によると動画のエンコード性能が高いらしい。
ということで、一年前にゲットしたCore i5パソコンをベースにRYZENに換装してみました。
購入したのはCPUとマザーボードだけ。
メモリやM2 SSD、ケースなどはすべて流用しました。
CPU:AMD Ryzen5 1600
MB:ASUS PRIME B350-PLUS
CPUとマザーボード合わせて、4万円ほどでそろいました。CPUはRyzen7にしようか迷いましたが、そこまでのスペックは必要ないので現実的なチョイスです。
マザーボードはチップセットB350です。これもワンランク上のX370にしようか悩みましたが、別にSLIは必要ないし、USB3.0も2ポートついていれば十分かなと・・・。総合的に判断して割安なB350チップセットのマザーボードから選部ことにしました。
最終的にインターフェイスのレイアウトを見て PRIME B350-PLUSをチョイス。
Ryzenとご対面
自作歴は15年以上ありますが、実はAMDのCPUは初めてだったりします・・・。
なかなかパソコンの買い替えタイミングとCPUの販売時期が合わず、今まで縁がありませんでした。
RYZENの表側。ヒートスプレッタの刻印がきれいです。
裏面は剣山のようにCPUの足が伸びています。
Pentiumの頃を思い出され、懐かしい感じです。ただ、落とすと確実に足が曲がってしまいますね。万が一折れてしまうと絶望的・・・
リテールクーラーには放熱グリスが塗布されています。そのまま組み立てればよいので楽ですね。
リテールクーラーはねじ止めです。
レビューでは、このねじが取り付け難いと悪評ですが、さてさて、どんなもんでしょうか?
パソコンの組み立て
マザーボードにRYZENを取り付けます。
マザーボードのレバーをあげてCPUを載せます。
CPUを取り付ける向きを間違えないようにしっかりとマニュアルを見ます。
CPUを載せたら、マザーボードのレバーを倒してロックします。
CPU付属の純正クーラーを取り付けるのですが、マザーボードのアタッチメントを取り外す必要があります。マザーボードのマニュアルを見ると2種類のCPUクーラがあるようです。
規格が統一されていないのか、もしくは古い規格が残っているのでしょう。
口コミでは評価が悪かったクーラーの取り付けですが、まったく問題ありません。
むしろ、intelのパッチンとはめ込むクーラーより取り付けやすいと思うのですが・・・
自作パソコンの敷居が低くなりすぎて、ドライバーもまともに使えない層が入ってきているのでしょうか?
写真ではわかりにくいですが、ねじにはストッパーがついていて、ねじの回しすぎもありません。親切な設計です。
M.2 SSDとメモリ、グラフィックカードを取り付ければ完成です。
グラフィックカードはGeforce GTS 450! 2010年ごろ発売されていたものです。
結構いいグラフィックボードだったのですが、さすがに最新CPUと合わせるとバランスが悪いですね…。
マルチディスプレイにしたいと思って購入したビデオカードなので、スペックに拘りがあるわけではありません。
電源ON
組み立てて最初の通電は緊張します。
もし画面に何も映らないとドツボにはまりますからね。
「 New CPU installed! 」
何とか認識したようです。
マザーボードとCPUの交換だけなので、OSを再インストールしなくても動くかな?
そのままパソコンを起動してみると、何やらデバイスを準備していると表示され…。
そのままパソコンが起動しました。
とはいうものの、新旧のチップセットドライバーが混在しているのが気持ち悪いので、この後クリーンインストールしました。
ベンチマーク
Core i5-6500とRyzen5 1600をそれぞれベンチマークしてみました。
CPUとマザーボード以外同じ構成です。
CrystalMark 2004
ベンチマークの見方
「Mark」…ベンチマークの合計
「ALU」…CPU性能に関するベンチマーク。整数演算速度。
「FPU」…CPU性能に関するベンチマーク。浮動小数点演算速度。
「MEM」…メモリ性能に関するベンチマーク
「HDD」…ハードディスク性能に関するベンチマーク
「GDI」…2Dグラフィックス性能に関するベンチマーク
「D2D」…2Dグラフィックス性能に関するベンチマーク
「OGL」…3Dグラフィックス性能に関するベンチマーク
CPUを交換したので、ALUとFPU。それと、GDI、D2D、OGLも少なからずが関連するでしょう。
下にベンチマークの結果を載せています。CPUの演算能力は圧倒的ですね。
両CPUとも同じクロック周波数ですが、ベンチマークの結果は2倍の差があります。
Corei5
RYZEN5
エンコード能力
動画のエンコード能力も確認してみます。
約1時間の動画をH.264とH265形式でエンコードし、経過時間を測定して検証しました。
結果は以下の通り。
H.264形式のエンコードで大きな違いがみられます。Corei5が7分必要だった処理をRYZENは5分かからずに終了しています。
H.265も3割ほど処理が高速化するという結果に
H.264 | H.265 | |
Corei5 | 7分15秒 | 39分47秒 |
RYZEN5 | 4分49秒 | 27分55秒 |
総括
動画エンコードは事前の情報通り、素晴らしい結果でした。
家族のビデオ動画を編集したり、たまにyoutubeに動画をアップするのでRYZENのエンコード能力だけで購入した甲斐がありました。
ただ、実際にパソコンを動かしてみると、PCの起動やアプリケーションの立ち上がりなどといった全体的なパソコンの体感速度はあまり感じられないという印象。
というか、パソコンの起動やアプリの立ち上げなどといった軽作業は、CPUの性能というよりメモリやSSDの性能差の方が影響が大きいのでしょう。
誤算・・・
UEFI BIOSのCSM(レガシーBIOS互換)を切って高速ブート&セキュアブートに対応しようと思ったのですが、なぜかCSMが切れない…。
どうやら2010年製のグラフィックカードがUEFI BIOSに対応していないことが原因とわかりました。さすがに古すぎて、ところどころ規格に置いて行かれています。
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