バンドソーの切断では、ガイドを使って直線切断しているのに曲がって切れてしまったり、切り口がギザギザに荒れてしまい、なかなか思い通りに切断できないことがあります。
厄介なことにしっかり段取りしてもこのような不具合が発生してしまうこと。
例えば、平行定規ガイドを直角定規で垂直に取り付けて材料を切断して見た場合・・・
これはバンドソーのドリフトと呼ばれる現象が原因。
今回は安価なバンドソーでもできる簡単な調整方法について紹介します。
私が使っている木工用バンドソー(sk11)を例に説明します。
そもそもドリフト現象とは?
そもそもバンドソーのドリフトとは、バンドソーの刃がテーブルに対して直角に取り付けられていない為に起こります。
極端に言うと、刃が斜めに取り付けられているため材料の送りに対し刃が斜めに入ってしまい、結果的に横方向へ刃が流れてしまうというわけです。
このドリフト現象を抑制すれば材料の切断で横に曲がることはなくなり、刃の振れが少なくなるので切断面が平らで綺麗になります。
さらに、刃の振れが少なくなるので切断音も静かになる、一石三鳥の効果があるのです。
ですが、通常のバンドソーにはドリフトを調整する機能はありません。
(ごく一部の高級機にのみ取り付けられています。)
ドリフトの調整機能のない安価なバンドソーでも、ちょっとしたコツで高級機に負けない性能を発揮することが可能なのです。
バンドソーのドリフトフリー化
まず、何でもよいので、一辺が直線になっている、もしくは直線カットした端材などを用意します。
次に、その直線と平行になるように線を引きます。
平行線の間隔は任意で構いません。
端材に書いた線に沿ってガイドなどを使わず、フリーハンドで切断します
完全に切断してしまわず、1/2~1/3ほど残します。
フリーハンドで直線に沿って1/2まで切断してみました。
すると、このように材料がどちらか一方に傾きます。
この傾きが、バンドソーの刃の向きという事になります。
バンドソーに付属のマイターゲージ(角度を変えられるガイド)を端材の傾きに合わせて調整してください。
調整したマイターゲージに沿って材料を送ることで常にまっすぐな直線カットができるようになります。
マイターゲージの角度に合わせて平行定規ガイドをセットすれば、より切断が簡単になります。
(平行定規ガイドは多少なら斜めに取り付けることができます)
ドリフトフリー化による成果
直線カット
では実際に調整したバンドソーで直線カットしてみます。
このように、バンドソーの刃がぶれることなくこのようにまっすぐに切断できているのが確認できると思います。
硬木(黒檀)を切断してみました。
右が未調整の切断面。左が調整したバンドソーの切断面になります。
未調整の切断面は全体的に大きく波打っているのに対し、調整済みのものは小さい荒れはあるもののほぼ平面状にカットできます。
バンドソーのドリフト調整は、意外に簡単にでき、大きな効果が期待できます。
バンドソーをお持ちの方は試してみてはいかがでしょうか?
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