オリジナルマインドの集塵機作成キットを自作したら2千円で作れた

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以前集塵機のコントロールユニットを自作した記事を公開したところ、作り方を詳しく教えてほしいというメールをいくつかいただいたので、詳しく説明しようと思います。
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集塵機作成キットを自作した経緯

オリジナルマインドから集塵機作成キットが発売されています。
このキットは、CNCフライス盤などで発生する切削くずを掃除機で吸引する際、掃除機の出力を調整して切りくずを静かに集塵するためのキットで、スピンドルと連動して掃除機のON・OFFを制御する機能が搭載されています。

キットの中身は、制御基盤、コンセントケーブル、アダプター、排水用のホース、掃除機のつぎ手パイプ、クーラントホース、取付金具等がセットになっているようです。
非常に便利そうなキットなのですが、価格は3万円もするのでなかなか手がだせません。
お金がないので自作してみたところ、電子部品代として2,000円ほどで同じものが作れてしまいました。
別途、市販のアルミケースを3,000円で購入したので合計は5,000円ほどかかっています。

↓集塵機作成キット
cd_top
画像引用:http://www.originalmind.co.jp/products/collect-dust
価格29,800円
オリジナルマインドの集塵機作成キットのスペック
この機能を満たす材料を購入することにします。

  • スピンドル信号入力端子
    スピンドルモーター用のDC24Vを印加することで掃除機のON・OFFを制御するようです。
  • モード切り替えスイッチ
    掃除機のON・OFFを「スピンドル連動」、「手動」に切り替えるスイッチ
  • 出力調整ボリューム端子
    掃除機の出力をコントロールする端子のようです。
  • ファンモーター接続端子
    トライアック(電子部品)を冷却するためのファンモーター接続端子

要するに出力調整とスイッチ機能で構成されているようです。

代替部品を選ぶ

掃除機の出力調整には秋月電子から販売されているトライアック万能調光器キットを利用することにします。
驚くことに、このキットは税込みで600円しかしません。
しかも20Aまでの電力を制御することができる優れもの。家庭用の掃除機は1200W前後でしょうから、20Aタイプで十分対応できます。
ちなみに大電流が必要な40Aタイプは800円で購入できます。
ほとんど部品代+α程度の値段です。

秋月電子 万能調光器キット
価格 600円
K-00098
画像引用:http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-00098/


次にスピンドルモーターからのDC24Vから万能調光器キットを制御する方法を考えます。
これについては24Vのリレーを使ってトライアックのゲートを制御すれば問題なく制御できることが判明。ちなみにリレーも秋月電子で購入できます。

24V小型リレー 946H-1C-24D
価格 70円
P-07344

画像引用:http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-00098/


掃除機のモードを切り替えるスイッチは上記のリレーと同様にトライアックを制御することで可能です。トライアックのゲートには数ボルト、数mAほどしか流れませんから電子工作用の3点スイッチを用いることにしました。
3点トグルスイッチにより、「ON」、「OFF」、「スピンドル連動」の3種類のモードに切り替えることが可能になります。こちらも秋月電子で購入可能

トグルスイッチ2回路2接点 ON-OFF-ON
価格 100円
P-00225

画像引用:http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-00225/


ヒューズボックス

家庭用100Vを利用するのでヒューズは必ず必要です。
掃除機の消費電力は1200W前後なので15Aタイプを選びます
OHM ガラス管 ヒューズ 15A-250V
価格 196円

ヒューズホルダー

価格 125円


電源入力用のAC100V電源コード1500W
100Vの入出力用に利用する電源コンセントです。家庭にある不要なコンセントを再利用してもよいでしょう。
サンワサプライ 電源延長コード 0.5m TAP-B16-05
価格 397円
サンワサプライ 電源延長コード 0.5m TAP-B16-05


熱収縮チューブ
ドライヤーなどで温めると収縮するチューブです。
AC100V電源を扱うので端子がむき出しのままでは大変危険です。
特に今回トライアックをアルミケースへ固定するので、端子を絶縁する必要があります。
ELPA 収縮チューブ φ3mm クリア PH-643H
価格 112円
ELPA 収縮チューブ φ3mm クリア PH-643H


耐熱電子ワイヤ
電子部品やスイッチ類の配線に利用します。半田ごてで加熱しても被覆ビニールが溶けない耐熱ワイヤがおすすめです。
秋月電子で購入したほうが安いでしょう。

耐熱電子ワイヤー 外形1.22㎜ AWG24
価格 480円
P-06756

画像引用:http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-06756/


以上で掃除機の出力調整とスイッチ制御装置が作れます。
部品代は合計で2080円となります。

ケースはアルミ板からで自作したり、既製品の放熱ケースを利用してもよいでしょう。
アルミ板からケースを作った例

いずれにしても、調光器キットのトライアックはかなり発熱するので放熱を考慮しなければなりません。
オリジナルマインドのキットでは冷却ファンで強制廃熱していますが、そんなことをしなくても10cm×10cm程度ののアルミ板を放熱版にすれば十分な放熱効果があります。

既製品のアルミケースはHEN型放熱ケースがおすすめです。
価格が3000円と中身より高いのですが、総アルミ製で作りもしっかり作られている製品なのでむしろ安いくらいでしょう。

アルミケース
タカチ TAKACHI   HEN型放熱ケース HEN110512S

HEN型放熱ケース HEN110512S
価格 3030円


その他の部品 (集塵ホース)

直接制御装置には関係ありませんが、切削くずを効果的に集塵するためのフレキシブルホースを紹介します・
切削くずの吸引ホースとしてトラスコのクーラントホースがおすすめ。
オリジナルマインドの集塵機製作キットにも付属しているフレキシブルホースです。
呼びサイズは1/2、1/4、3/4、3/8の4サイズあります。
卓上フライスとして利用する場合は1/2又は3/4がちょうど良いサイズでしょう。
1/2より小さいサイズでが径が小さすぎて詰まってしまいます。
私は1/2サイズを利用していますが問題なく利用できています。
ただし、木材の加工では、切削くずが糸状に繋がることがあり、稀に詰まることがあります。
(めったに詰まりませんが・・・)

↓こんな感じで切削で生じる切子を吸引して使います。
DSC_3214

フレキシブルホース

フレキシブルホースと集塵機を連結するジャバラホースです。
掃除機用のホースでは使いにくい(重くて抜けやすいなど・・・)為、洗濯機用の排水ホースを利用しています。
安価で軽量で、取り回しが自由なので重宝しています。吸引によるホースのつぶれは一切ありません。
ホースの長さは加工機の大きさによって異なりますが、1.5m~2mあれば十分でしょう。


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集塵機制御装置を自作する

まず秋月電子の調光器キットを組み立てます。
付属の組み立て説明書をよく読んで組み立てます。
この状態ではトライアックと出力調整用のボリューム抵抗はつけていません。
DSC_5696

AC100Vの出力コンセントは手持ちのHK-AC01Hを使ってみました。

出力コンセントには調光器キットに付属のZNR(バリスタ)を半田付けしています。
ちなみに、キットの基板上にCF1,CF2のプリントがありますがこれはバリスタを取り付けるところではなく、別売りの0.1μF程度のコンデンサと付属の抵抗を組み合わせてノイズフィルタにする部分です。
説明書を読まずに組み立てると間違ってしまいがちなので、組み立ての際は注意しましょう。
ちなみにノイズフィルタを入れなくても動くので取り付けていません。(キットにはなぜか抵抗だけ同封されています。抵抗だけ取り付けても意味はありませんが、はんだ付けしています。)
DSC_5698

コンセントの入力側と出力側の配線をします。
下の写真のように、入力側と出力側の間にヒューズを挟んで直結します。
片側の配線はトライアックの制御回路へつないで出力を調整します。
text2996-1

トライアックに導線をはんだ付けします。
トライアックの左側の2本が出力用の端子です。大電流が流れるので太い被覆導線をはんだ付けし、ショートしないように熱収縮チューブで覆います。
一番右側の端子は出力調整用のゲート端子です。
「ON」、「スピンドル連動」の2種類の制御に対応するため2本の導線をつなぎ、一方を図のようにトグルスイッチに取り付けます。
path4017

トグルスイッチの真ん中の端子(緑色)を調光器キットの基盤へつなぎます。
DSC_5711

出力調整用の可変抵抗を導線で基盤とつなぎます。
DSC_5713

トライアックの出力端子を基盤にはんだ付けします。
導線が太いので基盤の穴には通りません。下の写真のように基盤の裏側へ直接はんだ付けするとよいでしょう。
DSC_5714

電源コンセントのコードを配線します。
DSC_5717

この段階で9割がた配線が完了したのでアルミケースに部品を入れてみました。
アルミケースに止めねじ用の穴を開けてねじで部品を固定します。
DSC_5718

最後に、スピンドルと連動させるためのリレーを追加します。
リレーには6本の端子が出ていて、下の図のように配線します。
一番左の端子は24V印加によって「絶縁する端子」と「通電する端子」があり、今回は「通電する端子」を利用し、トライアックのゲート端子とトグルスイッチの残りの端子(黒い導線)を半田付けします。
一番右の端子は内部でつながっているのでどちらを利用してもOKです。
いずれの端子も+と-はありません。

001

スピンドルからの24VはDCジャックによる着脱式にしてみました。
002

トライアックをケースの上部に取り付けます。
トライアックの放熱も兼ねているので、パソコンのCPUグリスを塗布するとより効果的に放熱できます。

DSC_2930

集塵機の出力調整ユニットの完成です。
真ん中のボリューム端子で集塵機の出力を調整し、右側のトグルスイッチで、「OFF」、「ON」、「スピンドル連動」を切り替えます。
DSC_5726

背面
右のコンセントケーブルから100Vを入力し、左側のコンセントから調整した電力が出力されます。
DCジャックはスピンドルと連動させるための24V入力ジャックです。
DSC_5727

オリジナルマインドの集塵機作成キットは3万円もする高価な装置ですが、自作すればアルミケース代と合わせても僅か5千円で同じ性能のものを作ることができました。

動作風景
これは数年前に作った初期のものですが、基本的な構造は同じです。

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