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簡易ボール盤を作ってみました

道具の製作

簡易ボール盤を作ってみました
正確にはボール盤ではなく、手で垂直に穴を開けるための冶具です。

簡単な構造ですが、深さ調整機能やドリルのクイック着脱機能を搭載しているのでなかなか使い勝手の良い道具になりました。

深さ調節機能↓

クイック着脱↓

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設計図

設計図はこちらにあります。

↓ダウンロードした設計図はこのような情報が含まれています。(設計図は見本です。本作品の物ではございません。)

  • (DRAWING NO.)・・・パーツ番号です。
  • (SCALE)・・・設計図の縮尺です。基本的に1:1尺度ですが、A4サイズに入らない部品は縮尺しています。必ず確認してください。
  • (Thickness)・・・部品の厚みを表しています。下図の場合は3mmです。
    使用する材料は基本的に合板ですが、別の素材を使う場合はAluminumなどと記載しています。
  • 設計寸法には小数点以下(32.5mmなど)の寸法指定があります。
    しかし、手作業を前提としているので、加工精度が悪くても完成したドリルプレスの精度には影響しません。
    (精度が必要な部分は設計図通りではなく、現物合わせで作ります。)

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部品

  • T12mm合板
    (12mm合板を2枚重ねて24mmにして使用する部分があります)
  • スライドレール(商品名:スムースライドS270
    長さ300mm 幅27mm 厚さ9.5mm ストローク202mm
    類似品をお求めの際は上記寸法の物をご購入ください
  • パッチン錠
  • 蝶番(幅35mm~40mmのもの)
  • インサートナット(任意 M4~M6ネジ推奨)
  • 蝶ボルト(インサートナットに取り付けられるもの)
  • メジャーシール

Part. 1 可動側コラムの製作

スライドレールは、引き抜いて分解できるタイプを使用しましょう

B-2の35mm幅の部分にスライドレールを固定します
両面テープで仮止めして、木ねじで締め付けて接合します。
より剛性を向上させたい場合は、J-Bウエルドなどの強力接着剤を塗布してネジ止めすると良いです。

接合するときは、平面の板を基準に組み立てます。
スライドレールの側面と、B-2の側面が一致するように取り付けてください。

↓この様に、上面・側面を一致させて2本のスライドレールで挟みます。

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↓ちなみに、底面は一致させる必要はありません。
こちらが下向になるので、スライドレールはこちら側から引き抜けるように取り付けてください。

スライドレールを木ねじで接合します。
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B-1の中心にスライドレールを固定したB-2を接着します。
組み立て方法は、youtubeの説明にもあるように最初に両面テープで仮止めしてからネジ穴を開けます。
このねじ穴は位置決めの為です。
次に、両面テープを剥がし、接着剤を塗布してからネジで圧着させます。
ネジは3cm~5cm間隔で良いでしょう。
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Part. 2 固定側コラムの製作

可動側コラムのスライドガイドにA-2を接着します。
本来なら、J-Bウエルドなどの強力接着剤を塗布してネジ止めすると良いのです。

youtubeでは両面テープで接着して木ねじで接合することにしました。
A-2の側面を、B-1にピッタリと合わせて接合します

A-2を引き抜き、ネジ止めします。
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A-2とB-1が接触している状態です。
このままでは摩擦で動きが悪いため、接触部を紙やすりで少し削り取ります。
※スライドレールに紙やすりの研磨粒が付着するので、作業が終わったら綺麗にふき取り、グリスアップしてください。

A-2に接合したスライドレールは製造上のカエリがあります。
組み立てるときの基準に使用するので、金ヤスリでカエリを除去します。

カエリを取り除いたら、直角定規を使ってA-2の直角を見てみましょう。
どんなに正確に工作しても、微妙にズレるはずです。

ガタつきがある場合は、紙を貼り付けて直角になるように微調整しましょう

A-1の所定の位置(設計図に記載済み)にA-2(片方のみ)を接着します。
A-2の向きに気を付けてください

前後・左右が直角になるように、直角定規を使って接合してください。

接着剤が固化したら、直角にになっているか確認します

接着したA-2を基準にして、もう一方のA-2を接着します

接着剤が固化したらA-3を接着してネジでクランプします。

Part. 3 ドリルホルダの製作

ドリルのネック径に合わせてB-3を加工します。
ネック径はドリルによって異なります。設計図通りではなく、お手持ちのドリルに合わせて外径を調整してください。

円の加工ははトリマーを利用したサークルカット冶具を使うと正確に加工できます。
↓サークルカット冶具の作り方

(ドリルの外径と同じ円が加工できるように)端材を使ってトリマー冶具の微調整すると良いです。

B-3をB-1に接着します。
台座と平行に接着するため、平行にカットした木材を利用すると良いです。
↓赤矢印の部分

任意の角材で補強します。

固定コラムの支柱にネジで補強します

B-3の接合箇所もネジで補強します。

Part. 4 深さ調整機構の製作

固定コラムの背面に幅10mm 厚さ1mm~2mmのアルミ板を張り付けます。
これは深さ調整ブロックの固定ねじを受け止め金具になります。
両面テープで固定すればよいです。

C-3にインサートナットを取り付けます。
設計図に従わず、使用するインサートナットに対応した下穴や座繰りを入れましょう。

設計図に従ってC-1~C-3のパーツを箱型に接着し、ネジで補強します

C-4にメジャーシールを貼り付けます

設計図の組み立てずに従って接着します

写真のように、固定コラムに取り付けて使用します

Part. 5 クイック着脱機構の製作

B-4とB-1を蝶番で固定します。
取り付け位置は使用するドリルに応じて決定してください。

B-5を接着します。

パッチン錠を取り付けます。

クイック着脱機構が完成しました。

Step. 6 精度調整と仕上げ

ドリルを挿入します

固定コラムに接続し、長いドリルをチャックします。

ベース台A-1とドリルビットが直角になるように調整します
調整はドリルを保持しているB-3の遊びを利用して調整します

直角定規とドリルビットの隙間が無くなるように調整します。
(前後・左右とも)

ドリルの軸を調整したら、パテでクイック着脱機構とドリルの隙間を埋めます。
こうすることで、ドリルの直角を固定しすることができます。
非常に簡易的な方法です

↓パテを押し付けて型を取ります。

パテが硬化したら完成です。
↓綺麗に型が取れました。

最後に、直角に穴加工できるか確認したら完成です。

表側と裏側に罫書線を入れ、穴加工すれば確認することができます。
↓表側

↓裏側 罫書線とピッタリ一致している穴が加工できました。

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