この記事の内容は動画にまとめています。
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ラインレーザーを自作してみました。
以前、秋月電子で購入した格安レーザーが机の引き出しから出てきたことと、木工用の電動工具に取り付けるレーザーサイトを作りたいと思ったのが理由です。
ラインレーザーとは?
通常のレーザーと言えば、レーザーポインターですね。
↓このように点で照射されます。
一方、ラインレーザーはその名の通りライン状にレーザーを照射します。
↓自作したラインレーザー
用途としては、このようにボール盤に取り付けてガイドにすることができます。
ラインレーザーの作り方
早速ラインレーザーを作ってみましょう。
作り方は凄く簡単。ドットレーザーとガラス丸棒、そして棒とレーザーを保持するアルミパイプがあれば作れます。
レーザー(秋月電子)
電池ボックス
Φ3~Φ5程度のガラス棒
ブログではΦ3mmのガラス棒を使いました。確か画材屋で手に入れたものだったと思います。ネットでは入手先を見つけることができませんでした。
アルミ角パイプ
↑リンクのモノが内径が8mmなので秋月レーザーがピッタリ!ホームセンターで手に入ります
ラインレーザーの原理
レーザー墨だし器の仕組みとはちょっと違うのですが、実に簡単にラインレーザーを作ることができます。
原理はレーザーをガラス棒に照射するだけ。
(下画像参照)
ガラスで屈折し、光が縦に引き伸ばされるわけですね。凄く原始的です。
実際にレーザーユニットを作ってみましょう。
作り方は角パイプを適当な大きさに切り、ガラス棒を通す穴とレーザーを保持するためのネジを切るだけ。
ネジ穴はタップを使えば簡単に加工できます。
一番シンプルな設計としてはこのような形に加工します。
もしネジ切り道具を持っていないなら金属接着剤を使ってナットを接着すればよいので色々工夫してください。
↓ナットを接着した例(モノは違いますが参考になると思います)
レーザーの使い方
実際に組み立てる前に少しレーザー癖を見ましょう。
秋月電子のレーザーはスポット調整(ピント調整)機能があります。
レーザー照射口がネジになっています。
マイナスドライバーを差し込んで回すと焦点距離を変化させることができます。
任意の距離にピントを合わせると、シャープなドット(ライン)になります。
実際に利用するピント距離に合わせて調整をしてみましょう。
また、レーザーのドットは円ではありません。
焦点距離をズラせば分かりますが、下の写真のように楕円になっているはずです。
なので、ラインレーザーを作るときはこの楕円の向きとラインの向きを一致させるとよりシャープな線を作ることができます。
↓焦点距離を大きくズラすと楕円になっているのが確認できる
製作
まず、アルミ角パイプにガラス棒とネジの下穴を開けます。
穴は出来るだけ正確に、パイプの中心で直角に加工します。
ボール盤などがあるよ良いですね。(撮影場所にボール盤が無いのでとりあえず簡易冶具で加工しました。)
次にタップでネジ穴を作ります。
この例ではM3のネジ穴を作りました。このサイズなら丁度良いと思います。
最後にパイプを適当な長さに切断します。
丸鋸を使いましたが、切るだけなので金属用の糸鋸でも十分加工できます。
ガラス棒をアルミ角パイプの幅に合わせて切断します。
幅は10mmなので少し余裕を見て11mmで切断しました。
ガラスなのでダイヤモンドヤスリで傷をつけ、ポキッと折るだけで切断できます。
↓黄色のマスキングテープは切断の目印です
エッジは鋭いので面取りも忘れずに。
ダイヤモンドヤスリで角を丸めましょう。
加工したガラス棒はレンズです。
汚れがあると鮮明なラインになりませんから、良く洗浄してから組み立てます。
眼鏡クリーナーでふき取りました。
ガラスが抜けないように両端にエポキシ樹脂を塗って固定します。
角パイプの中にレーザーを挿入します。
(レーザーの楕円の向きとレーザーの線を合わせる。分からなければ、レーザーをくるくる回してみて、線が一番細長くなるポイントを探す。)
実用的なラインレーザーを作るポイント
前述の作り方でもラインレーザーになるのですが、少し不具合があるので問題個所と解決方法を紹介します。
問題1、レーザーが垂直ではない
ボール盤で穴を開け、ガラス棒を挿入したので実は本体とレーザーが必ずしも垂直ではありません。
よほど運よく加工できなければ垂直にならないはずです。
私のレーザーもご覧の通り、微妙に曲がってしまいました。
解決法
Φ8mmの丸パイプにガラス棒を固定し、角パイプの中で微調整できるように工夫しました。
先端のレンズ部分を回すことで、自由に角度を変えることができるようになりました。
問題2、ラインが直線ではない
原理上、ガラス棒とレーザー光線が”正確に”直角に交わらないと真っ直ぐなラインが出ないのです。
↓実験ですが、ガラス棒へ斜めに光を当てると曲がっているのが分かります。
実際に、簡易ラインレーザーでもこの様に曲がっているのが確認できました。
解決法
ボール盤で正確に加工することは事実上不可能ですから、調整機能を作りました。
元々パイプとレーザーユニットには多少のガタ(クリアランス)があります。
そこで、4つのネジでレーザーユニットを固定し、それぞれのネジの締め加減でレーザーの角度とガラス棒を直角にしようという訳です。
クリアランスが小さすぎて調整ができないときは、Φ8mmのドリルで内径をさらえば調整できるはず・・・
調整の結果、このように見た目では曲がっていることが分からないほぼ直線のラインにすることができました。(右に写っているものは定規)
これなら十分実用に値するでしょう。
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